2020-04-21

チカンカリ刺繍

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北インドのラクナウ地方に受け継がれてきた伝統的な手刺繍で、「チカン」とは透けるような上質な布を、「カリ」は手刺繍を意味します。



ラクナウ地方は、16世紀から19世紀までインドを支配したムガル帝国のイスラム文化が、色濃く残る場所。精緻な白い刺繍で装飾された、透きとおるほどの薄手の白い布は、帝国支配の時代には貴族が身にまとう贅沢品でした。



ラクナウに暮らす女性たちによって、母から娘へ、そしてまたその娘へと、代々家庭内手工業で守り伝えてきた美しい刺繍は、薄手の布に、太い糸を裏から刺して模様を浮かび上がらせる“シャドウワーク”が特徴です。草花など植物の模様やペイズリー模様など、光に透かして見てみると、裏側に複雑な刺繍が施されていることがわかります。手の込んだ精密なデザインのものになると、1枚の布を、数人がかりで数か月かけて完成させるものもあります。

Process - 工程
1)布に文様を模り下書きを描きます。



2) 直径 10~20cm の刺繍枠に布をはめて糸を刺していきます。



刺繍枠をずらしていきながら、布全体に図柄の刺繍を施します。



繊細な模様と立体感は、中国の刺繍・汕頭を彷彿させます。